モーラー奏法 ちょこっと注意

 よく「ムチを打つように腕をしならせ叩く」という表現がよく用いられており、確かに間違った表現ではありませんが、勘違いを生みやすい表現ですので、少し補足しようと思います。

 ここまで読んで頂ければ、「腕のみ」をムチのようにしならせても、実はあまり効果は期待出来ないという事が、感覚的にお解かりになられる頃と思いますが、(逆を言えば小さい音量はそれでもいいですよね)腕をしならせムチのように使う、というよりも、その根元である肩や肩甲骨、ひいては胴体や脚部のねじれや動きの結果、「腕がムチのようにしなってしまった。さて、それをどうやってドラムに使おうか?」と考えるべきでしょう。

 それから打った後の動きも意識するようにして下さい。ムチは急にとまりませんよね?そしてそれらは、動きの伝達を効率よく行う必要が前提としてありますので、極度の脱力が必要なことは言うまでもありません。

 それから「ムチのようにしならせる」、「8の字マークなどのスティックライン」という言葉にこだわりすぎた例として、習得にあたって犯しやすい間違いも一応書いておきます。ショット時、肘(上腕部)を持ち上げた直後、不必要にスティックを振り上げる方が意外と多く見られます。

 これは「ねじり」で生まれたエネルギーを「スティックを振り上げる為のエネルギー」に使ってしまうので、説明する側や、動きを体感する時の動作としてはいいですが、実演奏レベルでは思ったほど音量やスピードに還元できなくなってしまいます。

 また、必要以上に手首を返す為、ミスショットの原因にもなり易いです。通常の「スティックを振る動作」を原理の違うモーラー奏法に無理やり取り入れた悪い例、といったら言い過ぎでしょうか。できるだけ、スティックは「結果的に振られた」という概念を用いて下さい。本来の目的は演奏に必要な「楽音」を出すことであって、スティックをいかに振るか、という事ではありませんよね。

 さてさて、この辺でようやくグリップの説明に入りますが、極論を言ってしまえば、持ち方は、、、、、、、。どうでもいいです!(笑)

 無責任な言い方をしましたが、本来演奏に於いて、先に持ち方は考えるべきではないな、というのがこの奏法の習得にあたって感じた事です。なぜなら、最初から「スティックを持つ為に、理想的な手指の形を考える」のと、スティックを持たずに、「指や手首本来の役割や稼動範囲を再確認して、そのあとでスティックを持つ」のでは、かなり意味合いが変わって来ますよね?楽器(スティック)を操るために身体本来の可能性に規制をかけてしまっては、本末転倒です。(これはフリーグリップの概念です。)出来るだけ身体を先に動かし、スティックは「あくまで結果」という関係を保つようにして下さい。そのくらい、モーラー奏法に於いて手腕とスティックは自由に動かす必要があると思って下さいね。では、それらを前提として踏まえ、スティックの持ち方について考えてみましょう。


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