● 4ch Digital PowEr Amplifier
   kamaden TA2041
トライパス カマデン Tripath

「重厚長大を打ち破れ」

 重くて大きいアンプが音がいい、というのはオーディオ的に常識になっているような気がします。
高級アンプなどを見れば価格に比例して大きく重くなるのが普通です。これは高音質のための電源の大容量トランス、コンデンサ、シャシー構造によって必然的にそうなったからでしょう。しかし長年のこの図式で逆も真なり、と思う人も多いのが問題。つまり機器の重量が音質に比例する、といった物量投入型=高音質の考えです。

 しかし最近のオーディオを見ればそうでもない気がします。小型で効率の高いスイッチング電源やデジタルアンプがまさにその解決手段といえます。実際にスイッチング電源を採用したLinnのアンプジェフローランドがとてもいい音なのが何よりの証拠だと言えるでしょう。また薄型プロポーションのオルフィスなどはシンプルでデザイン的にも好ましいです。

 と言うことで今回製作するアンプはデジタルアンプ、スイッチング電源、1U(高さ49mm、JIS規格)ラックマウントケースにアンプを組み立てる、と言うコンセプトにしました。実際このケースだとトランスは積むとするとトロイダルコアトランスになるのでしょうけど、秋葉原では見つからなく特注しないと入らないと思いますのでアナログ電源は採用しませんでした。
(メーカー製の高級なデジタルパワーアンプを見るとアナログ電源も多いので音質的にはデジタルアンプはトランスを使ったアナログの電源の方が良いかもしれません。デジタルアンプは電源の変動が出力に出やすい特性があるのでトランスと大容量コンデンサを用いた電源回路は有効かもしれません。kamadenのキットにはスイッチング電源で良いとあったので今回は容量の大きいパスコンをつけてスイッチング電源で作ってみます。)


 「デジタルになろうともオーディオは不変」

 秋葉原に遊びに行った時に、若松通商でトライパス(Tripath)社のデジタルアンプキットTA2041を買ってきました。デジタルアンプといいますと一般的なアンプのようにアナログ信号をトランジスタで増幅するのではなく、入力信号をAD変換して増幅し最後にアナログフィルタでDA変換し出力を得るもので、高効率で消費電力が少ないことから最近はシャープやパナソニックのポータブルMDやTVにも使われてます。

 kamadenから発売されているキットは、今回買ったTA2041と出力20Wの2chのTA2020の二種類ありまして価格が倍違うんで悩みましたが、出力が70Wで4ch出力できるTA2041の方が(値段は高いが高機能で)リーズナブルであろうと買いました。オーディオは迷ったら高い方買ったほうが幸せなことが多いですから・・・しかし後にトライパスのTA2020のアンプも製作しました。
 ここでこのキットに入っているのは本体の基盤のみで電源や入出力端子、ケースなどは含まれていませんから別途に自分で用意する必要があります。まあここが面白いところでもありますね。キットに入っている基盤自体の組み立てはTV見ながらでも2時間くらいでできました。注意する点としては背の低いパーツから取り付ける順序とICの脚の間隔がやや狭いので短絡しないようにすることくらいでしょう。
 今回は薄型というのも目的のひとつなのでケースメーカーのタカチの薄型のラックマウントケースにしました。ACアダプターの大きさから49mmのJIS規格で1Uサイズのラックマウントケースにしました。結構高いケースですので予算の大部分がこのケースになっている気がしますが、オーディオは見た目も重要な要素ですから。

パーツ一覧

 なるべく制作費を抑えて完成するようにしました。コストパフォーマンスも考えてPC用のパーツも使っています。スピーカーへの出力端子がハーモニカ端子と呼ばれるねじ止めのものになりましたがこれは意外と太いケーブルも入るのとねじ式で(ドライバーが必要になります)しっかり固定できます。昔はマッキンやCelloなんかもこのタイプの端子でしたし、WBTなんか端子を使おうとすると4つで2万円くらいですし・・・難しいところですけどお好みのものを使ってください。平滑用というかパスコンは電源のACアダプターからの出力にと並列に入れます。極性がありますから注意してください。電源スイッチはパネルに付けるのではなくナットが見えないようにフロントパネルの後ろにサブシャシーを通して付けるので柄の長いものを使います。
●Works index page

 電源部は20V、5Aのスイッチング電源=ACアダプターです。一応ノイズフィルターのついたACアウトレットを使用。スイッチはDIYショップで売られていたL字金具を介して取り付けています。
AC100Vが流れる部分は慎重に配線をして間違いがないかよく確認してください。
平滑コンデンサには周波数応答を良くする為に0.47μF程度のフィルムコンデンサを並列に入れると更に良いです。大きいコンデンサーには響き止めとしてゴムを巻いてます。
大手メーカの高級品もこういうことをしているんですよ。一応、銅版でSW電源とアンプ部を遮蔽してあります。

アンプ側はこんな感じです。基板のコンデンサを一部変更していますが効果があるのは入出力のコンデンサの変更です。いろいろありますがあんまり大きいものだと基板に取り付けられないので初めから付いている積層セラミックコンデンサと同容量のメタライズドポリエステルフィルムに交換してあります。放熱フィンは通常の音量であればあまり熱を発しませんので特にシャシーに穴を開けてませんが大音量での連続使用を考えているなら放熱フィンの上下に放熱穴を開けたほうがいいでしょう。

リアパネル部
端子類を取り付けるときシャシーに接触しないように穴を開けてください。出力が短絡するとICが壊れるので注意してください。

試聴結果

 なかなか良いです。デジタルアンプは音が軽く力感が乏しいような印象がありましたが、十分な帯域でフラットバランスです。高音の分解能は特に良いです。クラッシックは清涼感があるさわやかな印象です。ピアノの演奏は反応の早い印象で、残響成分の消え入る様子もうまく再現しています。駆動力は十分ありそうで、締まった音ですので大型スピーカーでは低域がゆるくなりがちなポップスもリズム感良く再生します。
 またこのアンプは4chですので2Way以上でバイワイヤリング接続が可能なスピーカーと組み合わせますと、チャンネルごとに高音、低音を別のアンプで駆動するバイアンプ駆動が高さ5cmを切る薄さのこれ1台可能です。バイアンプ駆動にすると音質が非常に向上しますのでお勧めです。具体的には高音の分解能が更に上がり、低域においてもより力強い印象です。これなら市販のアンプでもなかなか太刀打ちできない音です。後に同じトライパスのTA2020でアンプを作りましたがやはり駆動力やスケール感はTA2041の方が優れているでしょう。

 ハイエンドアンプの地を這うような低音や純A級アンプなどの音の滑らかさは及ばない点もありますがこれだけ薄型のプロポーションに70wの出力をを4ch分も内蔵しているのでバイアンプ駆動やホームシアターなどが簡単にできるのは大きな魅力です。消費電力、発熱が少ないアンプは環境にも良いです。

 TA2041アンプのプリアンプとして使える、アッテネータも作成してみました。

Penetration Light Digital .com
  
トライパスTA2020を用いたボリューム内臓の小型アンプも作りました。
パーツ 購入先 価格
カマデン TA2041キット 若松通商 \9800
ノートPC用?ACアダプター20V、5A 若松通商 \1800
タカチ ラックマウントケース JR49-32S エスエス無線 \8,080
(これは定価、少し安かったはず)
ノイズフイルタ−付3pinコンセント 若松通商 \294
RCA端子(赤*2、白*2) 千石電子 \150*4=\600
出力端子(ハーモニカ端子) ラジオセンター \300
PC用?電源ケーブル パソコン屋さん \100
柄の長いスイッチ、パイロットランプ
(ネオン管式100V)
放熱フィン、基板スペーサーなど
ラジオデパート、
ラジオセンター
\700
平滑コンデンサ (10000μF*2) 若松通商 \997*2=\1994
配線用ケーブル お好みで買ってください
合計 \23、668