『ボディドロップアスファルト』の監督・和田淳子さんに寄稿して頂きました。
「iff2000 雑感」の「坪田義史、そして和田淳子」と合わせてご覧頂くと面白いとか思います。
女性が作家でいることの難しさ
和田 淳子
最初は自分から生まれたちょっとしたアイディアが嬉しくて、
これは私だけしか思いつく人なんていないだろう、
これは、私だから作れたんだ、っていう気持ちが勢いになる。
その自分らしさ、なんていうもので波に乗って作品を幾つか作っていく
内に、目標を見失ってしまうように思う。
これは作家に限ったことではないように思うのです。
むしろ、仕事をする女性の課題のような気がしています。
私は作家として活動している傍ら、
普段は某アパレル企業の会社員をしています。
どうせやるなら一生懸命やろうじゃない、
と最初はがむしゃらなわけです。
休日出勤だろうが、終電で帰ろうが、雑務だろうが、
頑張ってみる。
次第に年俸も上がったり、任せられる仕事が増えたりで
ちょっとは評価されたんだな、なんて思ってみたり。
けど、ふと気付くと、誉められる機会は多くても、
怒られることはない。
失敗しても、謝ると許されてしまう。
ああ、素直に謝れば続けて行けるんだな、
なんて妙に賢くなってしまう。
そうして失敗するたびに、甘える。
甘えることが上手になると、
がむしゃらな気持ちを失って、ミスが目立つ。
それでも怒鳴られるようなことはない私。
ふと気付くと怒鳴られている男性。
あ、あれも一つの期待なんだ、と思う。
女性は男性に甘えるのが上手です。
体調が悪いとか、
重い荷物は持って欲しいとか、
帰りが遅くなると怖いからとか、
男性が反撃できないようなことを平気で言える。
それが男性も意外に嫌じゃないみたいで不思議。
と感じると・・・頑張ってても目標のラインはすぐそこじゃん?
意外にすぐに達成できるっていうこと??
これからどうしよう???
必ずしも頑張っている女性がいないということではないし、
もちろん会社の上司にも女性はいます。
こちらは甘え上手のスペシャリストだったり、
女性であることを完全に忘れていたりします。
どちらも極端で、なかなか目標にしにくい。
時々テレビで若い美人社長!
なんていう特集がありますが、
あれもものすごく確率としては低いはず。
そういう意味では社会人として女性が活躍することも、
女性作家が長く活動することも、
確率としては同じくらいなんじゃないかと思うんです。
映像制作に置き換えてみても、
私の作品に関わるスタッフも男性が圧倒的に多いんです。
やっぱり重いカメラも三脚も男性に持って欲しかったり、
女性スタッフは帰りの時間とか、気を遣う面が増えるし。
何故か男性には頼みやすいことと、
女性に頼みやすいことが決まっていたり。
結局、女性にはなかなか無理をさせない、させてくれない環境がある、
ということのような気がします。
最初は最初だ、ということで許されても、
男性に譲るように言われる。
男性と対等に頑張ろうよ、と思っていたはずなのに、
まわりの女性を見ていると、
一人だけ頑張っているのも恥ずかしく思えてくる。
それでもがむしゃらに自分の意思を貫こうとする女性は、
本当に稀だと思うし、才能じゃないかと思います。
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