スピカの実験?? Sep. 2007.

 自宅 で実験したデータをすこしばかり...。

SPは厄介者です、そんなことは百も承知と思いながらも実際にマイクで拾った波形を見ると少なからず?ショック...。
日頃アンプのチェックでテスト波形を見慣れていると、音響トランスデューサーであるSPの波形再現性(忠実性)が如何に酷いものか...(ToT)

まだ実験は始めたばかりで、実験には色んな問題がついて回ります。
当然ながらSPから出た音をマイクで拾う為に無響室ではない拙宅の部屋で発生する反射や定在波の影響を大きく受けます。
ですから、あくまで参考程度に眺めて下さい。これらの波形で『論より証拠』などと言うつもりはありません。


■ インパルス応答

SPは振動板を電磁作用で動かしていますが、振動板には質量があり、そのせいで立ち上がりの遅れや余分な振動が残ります。
アンプの駆動力でも左右されるものでもありますが、先ずはその実態をインパルス発振器を使ってDCアンプでSPを駆動し、コンデンサマイクで拾った信号を電池電源のオペアンプ5532で増幅し、デジタルストレージオシロで観測してみました。

先ずはフルレンジの Technics EAS-16F100
 
高能率のユニットを約15Lの箱に入れた物だが、立ち上がりは良いものの、ダンピングが宜しくないように見える?

・次は2ウェイのDENON SC-E757改(6dB/oct)

まだサンプルが少なく、これで良いのかどうかは言えないが先ずは2ウェイの波形。

・3ウェイのPIONEER S-955

ノーマルのネットワーク、スコーカが逆極性なので立ち上がり波形が鈍っている。

・3ウェイのPIONEER S-955(6dB/oct)

全ユニットの極性が揃っているのでノーマルのネットワークに比べて立ち上がり波形が改善されている。

各写真の一番下がインパルス発振器の出力波形、上がアンプの入力波形で、真ん中がSPから再生された波形です。
パルス幅は約1.5msecで、立ち上がりが遅れているその時間差はSP面からマイクまでの距離を意味します。
【約2msの遅れですので(340×0.002=0.68(m)約70cmの距離であることが判ります。】

どの波形を見ても正側パルスの後に元波形には無い負側へのオーバーシュートが見られます。振動板に質量が無ければオーバーシュートは起きないはずですが、ご覧のとおりです。そもそもインパルス自体が正側のみの100%2次歪み波形ですから、質量を持った振動板の測定には本質的に向いていないとも言えます。そういう意味でユニウェーブと呼ばれる単発サイン波を使った測定のほうが評価しやすいように思われます。でも私的には正負対称な方形波1サイクルの方が良いような気もします。

インパルス応答はマルチウェイSPユニットのタイムアライメントや極性チェックには持ってこいの方法ですが、過度応答という意味に於いてネットワークの評価に何かヒントが見いだせるかも知れません。


■ 方形波応答

ものは試しで、SPに方形波を再生させたらどうなるか見てみました。

ムジークフェストの徳久氏がHPで発表されている波形合成の怪現象というシミュレーションに触発されて実際はどうなのかと思ったのがきっかけです。


S−955 ノーマル(Low-6dB/oct、Mid-18dB/oct、High-12dB/oct)


S−955 改(6dB/oct)

今度は連続波ですが、方形波ですので沢山の高調波を含んでいます。
従って単純な連続サイン波で見てもみても判らないSPの過度応答の実態が見えてくるのではと思っています。
昔からこの手の測定にはトーンバースト波が使われていました。しかし、特定の周波数レスポンスが見やすいだけで、全帯域での具体的なSPのレスポンスを反映するものではないと疑っているところです。

S−955の下側クロスオーバー周波数が950Hzですので、約500Hz方形波を入れてみましたが、ノーマルのネットワークでも、改造した6dB/octでも元の波形とはだいぶ違っているので評価に値しないです。6dB/octの方がマシに見えますが、これだけの比較で判断するのは危険であり、もっと沢山のデータが必要と思います。しかも、いきなり3ウェイSPでは飛躍しすぎで、シミュレーションを確認するのなら2ウェイSPを測定すべきでした。


■ 雑感

この実験はネットワークと聴感の比較にそれを裏付けられるデータの測定法が欲しいと思ったのが始まりです。

素人でも客観的に判断出来る方法があればスピーカーシステムの構築はもっと楽になるはずです。それは周波数音圧特性ばかりに囚われていた従来の測定法では得られない時間軸の特性を表現出来れば、もっとスピーカーへの理解が進むのでは...?
答えは出ないかも知れないけど何かしら得られるものが有るのかな〜と(^^;


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Last update 29-Sep-2007